|
3億台の携帯電話に導入された技術
創業からわずか10年足らずで東証一部上場を果たした急成長企業、株式会社フェイス。代表取締役社長平澤創さんは25歳で同社を設立。音楽データを変換しコンピューターで配信するサービスを日本で初めて開始しました。その後、PC通信に代わってブロードバンドが普及し、誰もが携帯電話を持つ時代へと変遷していく中、平成11年同社は世界初となる着信メロディ(以下着メロ)のビジネスモデルを完成させ、大躍進を遂げました。
「着メロの市場というのは携帯電話製造メーカーや半導体メーカー、電話通信会社、着メロ配信会社など複数の企業が連携し、それらの企業が携帯電話の中に内蔵されているプログラム『CompactMIDI』という"ルール"を守ることによって成り立っているんですね。我々は着メロそのものを作っているのではなく、この統一ルール、携帯電話で着メロを始めとするコンテンツを再生するための仕組みを考え、提供している会社なんです」
現在フェイスが開発したこの着メロシステムの技術は世界約百カ国、3億台の携帯電話に導入されているのだとか。こうした功績が認められ、平澤さんは平成16年に最年少で藍綬褒章を受章されました。
ライフスタイルをより便利に
ところで、現在は音楽・映像関係のビジネスも手掛けておられるそうですが-。
「僕自身が元々ミュージシャンだったのでわかるんですが、ミュージシャンにとって音楽というのは自分の気持ちを伝えるものであり、多くの人に聴いてほしいと願う、それは永遠に変わらないテーマだと思うんです。フェイスはその伝えたいものを伝えるために、CD、ライヴ以外の新しい手段を考えようと思って興した会社なんですね。ここにきてようやくそういう仕組みができてきた。ずいぶん遠回りしたけれど、15年経って原点に返ることができたかなと。
ただ、あくまでも我々は仕組みを整える会社であって、アーティストそのものを触ることはしません。映画でいうと制作宣伝プロデュース、配信配給はしていくけれどもそれ以上のことはやらない。その業界のエキスパートと組み、お互いの利害関係を築く、そうした方法を当初から一貫して続けているんです」
そして、さらに新たな分野に挑戦すべく平澤さんが選んだパートナーは、なんと"お医者さん"でした。年間約1万人が過労で労災認定を受けているという現代において、グループ会社のメディカルコミュニケーションでは、企業が従業員に対する福利厚生として利用できる、携帯電話のツールを使った簡易問診サービスを提供しているのだとか。
「病院に行く時間がない忙しいビジネスマンのために、お腹が痛いとか目眩がするといった症状を入れると、可能性のある病名が出てくるようになっていて、GPS機能によって今いる場所から一番近い病院を検索することもできるんです。将来的には画面の向こうにお医者さんが出てくるような仕組みにしたいなと。
携帯電話で一番大事なのは、この"繋がっている"という安心感なんです。その中で、ライフスタイルをより便利に変えていくために我々ができることを考えていきたい。携帯電話に向かって新しい文化を創っていきたいと思います」
|