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目の前の課題をチャンスに変える
「音声定額」をはじめ独自性のあるサービスでPHS事業において成長を続けている株式会社ウィルコム。同社代表取締役社長の喜久川政樹さんにお会いしました。
大学卒業後、第二電電(現KDDI)に入社した喜久川さん。当時は、通信自由化により、各社が長距離電話の値下げに鎬を削っている時代。そんな中、喜久川さんが最初に配属されたのは、長距離回線の中継所をつくる、いわゆるインフラを整備するための部署で、その時の経験が現在の基盤になっているのだとか。
「入社してすぐにものをつくる仕事を経験できたことはとてもよかったですね。あの時に得たものは非常に大きいものでした。僕は取り立てて何になりたいというのもなかったのですが、意識的に経験したわけではなく、目の前の課題に取り組んでいったら、現在に至っていた。様々な経験を積んでいく中でその度に課題を与えられて、その時は大変だなと思っても、見方を変えるとそれはチャンスだった。仕事をしていく上で、自分には不向きだなと思うことや、どうしても納得のいかないことが出てくる場合もある。けれども困難を経験することはむしろチャンスであり、目の前の課題をいとわずにやるかやらないかが後に大きな差になってくるのだと思います」
技術面、安心安全性の高さを訴える
ところで、異なったステージではあるものの、私も会社のトップという同じ立場に立つ者として、経営者が成すべきこととはどのようなことなのか、ぜひ伺いたいのですが。
「企業も八百屋と一緒で、野菜のカゴと肉のカゴがあって、それぞれの仕入れの帳簿をつけると、野菜は儲かっているのに肉は儲かっていない…なぜだろうと考える。相互のバランスがとれるように両方のカゴを見るというのが経営者の役割だと思うのです。そして、自分より少し年齢が下の人間にそうした経営のノウハウを教えておくこと。会社が第一であって、事業は自分のためにやっているわけではありませんから、例えば僕が一年間病気で休むとか、自分にいつ何があっても事業が上手くまわるような体制を整えておく、というのは考えています。
経営者というのは強いパワーを持ちますから、一つ間違えると暴走してしまう。一方でとても難しい判断をしなくてはいけないことがたくさんありますから、決定力、強い意志を持つことと、人の言うことに耳を傾ける、その両方を兼ね備えることは重要ですね」
今や日本の携帯電話の普及台数は一億台を超えているといわれていますが、そうした市場の中で、今後どのようなサービスを展開していく予定なのか、最後に伺いました。
「友人、家族、会社など大小の様々なコミュニティに着目し、お客様の方を向いて、携帯電話ではできない、いろいろな商品、サービスを提供していく。PHSは携帯電話より電磁波が弱いですから、病院内でも使われているんですよ。また、最近ではキーボードを搭載したスマートフォン『W−ZERO3』シリーズで、売り買いができる証券会社向けのシステムを開発するなど、技術面の高さと、省電力低電磁波という安心安全性の高さ、その両面を訴えていきたいと思っています」
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