日本テレビ放送網株式会社プロデューサーの五味一男さん。五味さんはCM業界でディレクターとして活躍後、昭和六十二年、テレビディレクターとして同社に入社。翌年バラエティ番組『クイズ世界はSHOW
byショーバイ!!』を手掛け、最高視聴率26.9パーセントを記録、一躍時の人となりました…五味さんは当時をこう振り返ります。
「フジテレビは若者受けするような番組が多く、色で例えるならピンク色のような華やかなイメージであったのに対し、日本テレビはどこか地味な感じで、視聴率が獲れずガタガタで…。それで、とにかく何かやってみようということで企画したのが『SHOW
byショーバイ!!』だったんです」
マネージャーよりプレイヤーでいたい
それから五味さんは、『マジカル頭脳パワー』、『速報! 歌の大辞テン!!』などのレギュラー番組に加え、数々のスペシャル番組でも視聴率20パーセント超えを連発させます。その後、一時編成部企画部配置となり、ドラマ『ごくせん』の企画などを指示していましたが、「自分はマネージャーよりもプレイヤーのほうが性に合っている」と自ら希望し、3年前に制作局に移り『エンタの神様』で現場復帰。現在も同番組は高視聴率を常にキープし、業界で彼は「視聴率男」と呼ばれ、絶対的な存在感を放ち続けているのです。
サイレント・マジョリティの代弁者
ヒット番組を生み出すために、10代の若者が何を好んでいるのかを電車や街の中で常にリサーチし、”自分の中に1000万人の女子校生を住まわせている“という五味さん。先日、そんな彼のユニークな発想が満載された著書『あなたも一発大逆転が狙える!
ヒット率99パーセントの超理論』が上梓されました。
「番組作りに限らず、『1000万人以上に支持される新しい商品やサービス』を生むための一つの方法論として、僕なりの考えをまとめたものです。
その理論とは、サイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)と僕は呼んでいるけれど、『自分がやりたいことを優先させるのではなく、人々が潜在的かつ普遍的に求めているものを、彼らの代弁者となり見つけ出し、提供する』というもの。
人間はしょうがないと諦めることが多いけれど、もう少しここをこうすればもっと暮らしやすい世の中になるし、そうなれば当然ヒット商品も生まれてくるといったことが書いてある本です」
また、五味さんはこんなことも語ってくださいました。
「自分が10代の人になって、若者が好んでいるものを考える、これは結構キツイ作業ではあるのですが、一方で『苦しいけれど、楽しい』という高揚感もあり、それはマラソンの『ランナーズ・ハイ』に近いかもしれません(笑)。
一部のコアな人たちに支持される、そういう文化も勿論必要だし、僕も実はそっちのほうが好きだったりするんです。最終的にはニッチなところに行って好きなことだけをやっていたいという願望もあり、そのためにいま万人に受けることをしているのかもしれません。でも、それも60歳ぐらいまでかな。きっとそれでも10代に受けることを一生懸命考えているでしょうね(笑)」
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